あの…ウエキ(仮)ですけど
認知症の80代半ばのおばあちゃんが
必ず始めに言う言葉です
数秒後には忘れてしまう記憶力
とにかく家に帰りたい帰宅願望
典型的な認知症の周辺症状である
この2つがとにかく困った人です
いや、結構強力に困った人💦
記録を書くにしろ、レクリエーションをするにしろ
確実に
「あの、ウエキですけど…」
で中断を余儀なくされる
時には
「あの、ウエキですけど…」
からのコンボで
「家に電話をかけるので
電話を貸してください」
が発動されますヽ(´▽`)/←
当然自宅の電話番号なんて
覚えているわけないのですが
どこかに繋がってしまい
迷惑をかけるわけにもいかず、
かと言ってずっと監視するヒマもない…
そんな時は嘘も方便
「お部屋の電話を使ってください」
そう言ってお部屋に帰ってもらいます…
もちろん、そんなモノなんて存在せず
彼女は無いものを探しに戻る…
そして…
「あの、ウエキですけど…」
と、その繰り返し😅
そんな帰りたい一心のウエキさん、
この後、とんでもないことをしたんです
それは俺が休みの日の朝でしたので、
この時対応した同僚からのお話ですが…
早番が朝来て朝食の誘導の為に
全員に声をかけていると…
いないんです
施設のどこにも…
彼女の居室は、もちろん誰もいない
ただ出れないようにロックしている窓は
人が一人出れそうな隙間で開いていました
認知症であることはもちろん
普段屋内しか動いていないので
転倒→骨折の恐れもあるので
きわめて緊急な事態
施設で見守りをするスタッフ以外は
近所を大捜索💦
責任者は警察に捜索を要請
もし何かあったら
重大な過失となってしまうので
みんな必死…
ところがしばらくして
事件はあっさり(?)解決しました
施設から電車で10分程かかる
ターミナル駅前の交番で
発見されたそうなんです!
…というよりも
本人が来たらしいんですww
どうやって電車に乗ったのか
そこに意図して向かったのか
いろんな謎は残りますが…
本人が交番に来たんですよ
ということは
あの登場の仕方ですよね…
「あの…ウエキですけど」
…お巡りさんのその時の
キョトン顔を見れなかったのは
大きな心残りでした😞